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風に包まれて

今日は奥穂で、「4時」! Part-2.02

\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\ジャンダルムの奇跡///////////////////////////////////////

結論から言えば、標高3,000m超での隊長との待ち合わせは失敗に終わった。夕日を眺めながら、時として最悪の事も考えなくも無くはなかったが、不思議といつもの笑顔でひょっこりあの頂から姿を現すに違いないと確信していた。
そして、隊長は元気に朝を迎えた。
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夕餉を終えた18時過ぎ、穂高山荘に独りの男性が奥穂からの降りてきた。ヘッドランプを灯しながらの下山を山小屋から見ていた私は、体型から隊長でない事はすぐに分かったが、彼が降りてくるまで待って聞いてみた。
うー「誰か、西穂方面から来ている登山者はいませんでしたか?」
登山者ー「ああ、一人 男性が西穂方面の稜線を歩いていたなぁ。15分程、私より後だと思うけど」この会話で、それがAkitsu隊長だと確信しました。

私がまだ奥穂にいた時、西穂から縦走してきた男の人を見かけたと書きましたが、彼を最初に見たときの写真がこれです。

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望遠レンズではないので、米粒みたいに見えるでしょ?










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この時点で、隊長ではないと思いました。しかし、この彼と隊長は浅からぬ縁で、下山後に連絡をとる事になりました。不思議な縁(えにし)に、私も感動しました。
山では一期一会の出会いも、当たり前のように経験します。「また、どっかでお会いしましょうう!」と、言っては見ても再会が叶うことはまず稀です。でも、隊長とこの彼はどこかドラマみたいで、事実はやはり小説より面白いことがあるんだなぁと思いましたよ。

稜線の途中でチョークバックを拾った隊長、それでなくともテントを背負ってアノ厳しいコースを歩くのですから、僅かの荷物でも10時間を越す歩行では、負担になってきます。しかし、隊長はそのチョークバックを背負いながら無事に下山してきました。テント泊の隊長は、そのチョークバックを山小屋のスタッフに託しました。チョークバックには、持ち主の名前と住所が書かれていたものが入っていたので、もし小屋泊まりをしていたらすぐに持ち主が判るだろうと、私もそう思っていたのですが、残念ながら小屋のスタッフは、持ち主を探すことをしませんでした。

家に戻った隊長が、宅配便で持ち主にチョークバックを送ったところ、なんと!その持ち主は、私が奥穂で「誰か他に登山者はいませんでしたか?」と声をかけた、上の写真の男性だったのです。ここにジャンダルムの奇跡が完結したのでした>いや、私だけジャンにはまだ行った事がないんですが、、、、
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写真は西穂高岳~奥穂高岳縦走路のコブ尾根ノ頭を通過した所の写真。当然、Photo by 隊長。地図で見ると、ジャンダルム直前の難所でしょうか?>当たってる?
by uni2323 | 2008-10-20 20:27 | 山の思い出